丸PSEのモバイルバッテリーは今後どうなる?規制変更で見るところ

膨張したモバイルバッテリーへ触れず離れた場所から状態を記録する様子

丸いPSEマークが付いたモバイルバッテリーを持っていて、「規制が変わるなら、もう使えないのか」と気になる人もいるはずです。2026年9月6日時点では、手元の丸PSE製品が一斉に使用禁止になったわけではありません。 現行の経済産業省の区分では、対象となるリチウムイオン蓄電池は今も「特定電気用品以外」とされ、丸形PSEの対象です。

一方、8月31日の経済産業省の審議会では、モバイルバッテリーを第三者機関の適合性検査が必要な仕組みに移す規制強化方針が示されました。報道されたスケジュールでは2027年3月の施行を目指し、1年間の経過措置も想定されています。今のルールと、これから変える方針を分けて見るのがポイントです。

この記事のポイント

  • 2026年9月6日時点の現行制度では、対象モバイルバッテリーは丸形PSEの区分
  • 8月31日に第三者検査を求める規制強化方針が示され、菱形PSE側へ移す方向が報じられている
  • 手持ち品はPSEの形だけで判断せず、型番・事業者名・リコール・膨張や異常発熱も確認する

丸PSEだから今すぐ使えなくなる、という発表ではない

まず分けたいのは「販売するときの法規制」と「いま手元にある製品を使えるか」という話です。国民生活センターは現行案内で、2019年2月1日以降に販売されるモバイルバッテリーにはPSEマークが必要で、丸形PSEを表示した案内を掲載しています。経済産業省の現行区分ページも、対象となるリチウムイオン蓄電池を「特定以外」としています。

8月31日に示されたのは、発火事故の増加を受けて今後の適合性確認を強化する方針です。「丸PSEが付いている=今すぐ違法・危険・使用禁止」と読み替えるのは早すぎます。 政省令の改正、施行日、経過措置の確定内容を追う必要があります。

また、PSE表示があっても故障やリコールが絶対に起きないという意味ではありません。製品安全は、法令上の表示に加えて、個別型番の回収情報や実際の状態も見る必要があります。

変わる方向は「自己確認だけ」から第三者検査を加える仕組みへ

現行のモバイルバッテリーは、電気用品安全法上の対象となるリチウムイオン蓄電池として、事業者が技術基準への適合を確認し、必要な表示を行う仕組みです。経済産業省の2026年8月31日の審議会では、モバイルバッテリーについて第三者機関による適合性検査を義務付ける方向が示されました。

ケータイ Watchなどの同日報道では、これに伴い、現在の丸形PSE対象から、第三者検査を伴う菱形PSEの対象へ移す方針とされています。さらに技術基準の強化や、製造工程の品質管理も厳しくする方向です。

見る項目 2026年9月6日時点 規制強化の方向
PSE区分 対象リチウムイオン蓄電池は「特定以外」 モバイルバッテリーを高リスク側へ移す方針
検査 事業者による自主検査を含む現行制度 登録された第三者機関の適合性検査を導入する方向
マーク 丸形PSE 菱形PSEへ移行する方向が示されている
品質管理 現行技術基準 技術基準・製造工程管理の強化を検討
上の右列は「今後の方針」です。施行前に政省令や技術基準の確定版が出たら、その内容を優先してください。

いつ変わるのかは「方針」「公布」「施行」「経過措置」を分ける

制度変更の記事で混乱しやすいのは、発表日と施行日が同じように扱われることです。8月31日は規制強化方針が示された日で、その日から店頭の丸PSE製品がすべて販売不可になったわけではありません。

報道されたスケジュールでは、2027年2月までに関連政省令を公布し、2027年3月の施行を目指すとされています。また、施行後に1年間の経過措置を設ける想定も報じられています。今後は次の順に確認すると整理できます。

  1. 経産省の審議会資料で方針を確認する
  2. 政省令の公布日と確定した条文を見る
  3. 施行日を確認する
  4. 旧制度品に対する経過措置の対象と期限を確認する
  5. メーカー・販売事業者の個別案内が出たら型番単位で確認する

「2027年3月を目指す」は、2026年9月6日時点では確定済みの施行日としてではなく、示されたスケジュールとして読むのが安全です。

手持ちのモバイルバッテリーはPSE以外も見る

手元の製品を確認するときは、PSEマークの形だけに目を奪われない方がいいです。経済産業省はリチウムイオン蓄電池搭載製品について、PSE表示に加えて、リコール対象でないか、異常がないかを確認するよう案内しています。

膨らんだモバイルバッテリーに触れず、使用停止を判断する場面
制度変更とは別に、膨張・異臭・異常発熱がある製品は使い続けない判断が必要です。
  • PSEマークと届出事業者名が確認できるか
  • メーカー名・販売事業者名・型番を追えるか
  • リコールや回収対象になっていないか
  • 膨張、変形、変色、異臭、異常発熱がないか
  • 落下、水濡れ、強い衝撃を受けていないか

膨らんでいる、異臭がする、異常に熱くなるなどの症状がある場合は、新制度を待つ話ではありません。膨らんだモバイルバッテリーの使用停止・保管・回収の確認へ進み、無理に充電や放電を続けないでください。

これから買うなら「丸か菱形か」だけで選ばない

制度移行期は、店頭や通販に現行制度の製品と新制度対応品が並ぶ時期が来る可能性があります。そのときも、マークの形だけで商品の良し悪しを決めるのは適切ではありません。

国民生活センターは、製造販売元や型式・仕様が不明確な商品を避け、PSEマークも確認するよう案内しています。購入時は次の情報を追える製品を選ぶと、万一リコールが出たときも確認しやすくなります。

  • メーカー・輸入事業者・販売事業者が明記されている
  • 製品型番が本体やパッケージで確認できる
  • 定格容量・定格電圧などの仕様が確認できる
  • 問い合わせ先とサポート情報がある
  • リコール情報を型番で照合できる

NITEによると、2021~2025年の5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は2,140件で、製品別ではモバイルバッテリーが最も多かったとされています。価格だけでなく、事故後に事業者を追えるかも買う前に見たい項目です。

古い説明と新しい方針が混ざる時期は、更新日を見る

今後しばらくは、「モバイルバッテリーは丸形PSE」と説明する現行制度のページと、「第三者検査を義務化し菱形PSEへ移行する」という新方針の記事が検索結果に同時に出てきます。どちらかが単純に間違いというより、基準日が違う情報が並んでいる状態です。

見る順番は、経済産業省の最新資料、政省令の公布情報、メーカー公式のお知らせ、個別製品のリコール情報です。検索結果の見出しだけで「手持ち品は全部買い替え」と判断する必要はありません。

このページも、政省令の公布、施行日、経過措置、表示方法に確定情報が出たときに更新していく方が役立ちます。制度が動くたびに、何が確定したか/まだ方針段階かを分けて見るのが一番迷いにくい方法です。

よくある質問

丸PSEのモバイルバッテリーはもう使えないのですか?

2026年9月6日時点で、丸PSEの手持ち製品が一斉に使用禁止になったという発表ではありません。現行制度では対象リチウムイオン蓄電池は「特定以外」の区分です。今後の政省令改正と経過措置を確認してください。

今持っている製品は買い替えた方がいいですか?

PSEの形だけを理由に一律で買い替えるとは言えません。型番、リコール、事業者情報、膨張や異常発熱など実際の状態を先に確認してください。

丸PSEと菱形PSEは何が違うのですか?

電気用品安全法では、危険や障害が発生するおそれが高い「特定電気用品」と、それ以外で区分が分かれます。特定電気用品では登録検査機関による適合性検査が必要で、菱形PSEが使われます。モバイルバッテリーは現行では丸形側ですが、今回の規制強化では第三者検査を伴う側へ移す方向が示されています。

まとめ

丸PSEのモバイルバッテリーは、2026年9月6日時点で突然すべて使えなくなったわけではありません。ただし、8月31日に第三者機関の検査を義務化する規制強化方針が示され、制度は動き始めています。今は「現行制度」と「これからの方針」を分け、手元の製品については型番、事業者名、リコール、膨張や異常発熱も合わせて確認してください。政省令と経過措置が確定したら、その内容で判断を更新するのがよいでしょう。

参考にした情報

タイトルとURLをコピーしました